佐賀県鹿島市。
有明海に面したこの静かな町の、山の中腹に、信じられない光景が広がっています。
深い緑の山肌に突如として現れる、真紅と金色に輝く壮麗な楼閣。まるで京都の清水寺のように、断崖に張り出すように建てられた極彩色の社殿は、見る者の息を呑ませます。
それが、祐徳稲荷神社(ゆうとくいなりじんじゃ)。
日本三大稲荷の一つに数えられ、年間300万人もの参拝者が訪れるこの神社は、九州屈指のパワースポットとして、そして「一度見たら忘れられない絶景」として、多くの人々を魅了し続けています。
しかし、その圧倒的な存在感ゆえか、インターネット上では「祐徳稲荷神社 行ってはいけない」という不穏なキーワードも。本殿までの階段、奥の院までの300段――体力的な厳しさや、スピリチュアルな噂に不安を感じている方もいるでしょう。
この記事では、祐徳稲荷神社の真実の姿を、余すことなくお伝えします。極彩色の社殿の美しさ、御祭神が授けるご利益の背景、「行ってはいけない」の真相、階段攻略のコツ、御朱印やグルメ情報まで――。
読み終わる頃には、あなたはきっと「次の休みに行ってみよう」と決意しているはずです。
さあ、佐賀の山中に浮かぶ極彩色の楼閣へ。
- 1 なぜ祐徳稲荷神社は「特別」なのか――日本三大稲荷の誇り
- 2 御祭神とご利益――衣食住の守護神が授ける、人生の安定
- 3 参拝ルート――極彩色の社殿から天空の奥の院へ
- 4 「階段がきつくて行けない」という心配――救世主あり
- 5 旅を彩る最新情報――御朱印、イベント、聖地巡礼
- 5.1 御朱印――祐徳稲荷神社の記念
- 5.2 季節のイベント――一年を通じた楽しみ
- 5.2.1 元旦(1月1日〜3日)
- 5.2.2 初午祭 <2月初午の日>
- 5.2.3 節分祭 <2月3日>2021・2025・2029年は2/2
- 5.2.4 例大祭 <3月初午の日>
- 5.2.5 春季大祭(春祭) <4月8日>
- 5.2.6 石壁社春祭 <5月10日>
- 5.2.7 お田植祭 <6月中旬>
- 5.2.8 岩崎社祭 <7月>
- 5.2.9 夏祭 <8月1日>
- 5.2.10 石壁社秋祭 <9月10日>
- 5.2.11 再建記念祭 <第1日曜日>
- 5.2.12 抜穂祭 <9月下旬~10月上旬>
- 5.2.13 七五三祭 <11月15日>
- 5.2.14 秋季大祭(お火たき) <12月8日>
- 5.2.15 ナイトウォーク(期間限定)
- 5.3 聖地巡礼――ゾンビランドサガの舞台
- 6 旅のしおり――所要時間、アクセス、ランチ
- 7 あなたの日常に「強運」を持ち帰る――祐徳稲荷神社が教えてくれること
なぜ祐徳稲荷神社は「特別」なのか――日本三大稲荷の誇り
祐徳稲荷神社とは
祐徳稲荷神社は、佐賀県鹿島市古枝に鎮座する、日本三大稲荷の一つとされる神社です。
【基本情報】
- 所在地:佐賀県鹿島市古枝乙1855
- 電話:0954-62-2151
- 参拝時間:境内自由(24時間)
- 社務所:8:00〜17:00
- 拝観料:無料
- 公式サイト:https://www.yutokusan.jp/
日本三大稲荷とは
日本三大稲荷については諸説ありますが、一般的に以下の3社が挙げられます。
- 伏見稲荷大社(京都)
- 祐徳稲荷神社(佐賀)
- 笠間稲荷神社(茨城)または豊川稲荷(愛知)
祐徳稲荷神社は、九州唯一の「日本三大稲荷」として、地元佐賀だけでなく、九州全域から篤く信仰されています。
極彩色の社殿――山中に浮かぶ楼閣の奇跡
祐徳稲荷神社の最大の特徴は、山の中腹に建つ極彩色の壮麗な社殿です。
参道を進むと、視界が開け、目の前に突如として現れるのは――。
真紅の柱、金色の装飾、緑青色の屋根瓦。それらが一体となった、まばゆいばかりの楼閣。山の斜面に張り出すように建てられた本殿は、まるで空中に浮かんでいるかのよう。
その光景は、「九州の清水寺」とも呼ばれるほど。
初めて訪れた人は、誰もが息を呑み、カメラを構えます。SNSに投稿された写真を見て、「この景色を自分の目で見たい」と思い、多くの人が足を運ぶのです。
この極彩色の社殿は、決して華美なだけの装飾ではありません。それは、豊穣と繁栄を象徴する、稲荷の神様の力を視覚的に表現したものなのです。
御祭神とご利益――衣食住の守護神が授ける、人生の安定
御祭神――倉稲魂大神を中心とした三柱
祐徳稲荷神社には、三柱の神様が祀られています。
主祭神:倉稲魂大神(うかのみたまのおおかみ)
- 稲荷の神様
- 衣食住の守護、商売繁盛、家運繁栄の神様
- 五穀豊穣を司る
大宮売大神(おおみやのめのおおかみ)
- 技芸上達の神様
- 商売の繁盛を助ける
猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)
- 道開きの神様
- 人生の岐路で正しい道を示してくださる
倉稲魂大神とは――稲荷信仰の本質
倉稲魂大神は、「ウカノミタマ」とも読み、稲の精霊を神格化した神様です。
「倉」は穀物を蓄える倉庫、「稲」は米、「魂」は霊力。つまり、**「米の豊かさをもたらす霊的な力」**を象徴する神様なのです。
日本は稲作の国。米は生命の源であり、経済の基盤でした。その米を守り、豊かに実らせてくださる倉稲魂大神は、古来から人々の生活を支える最も重要な神様の一柱として崇敬されてきました。
現代では、米だけでなく、衣食住全般、そして商売繁盛、家運繁栄のご利益があるとされています。
なぜ商売繁盛なのか――稲荷信仰の歴史
稲荷信仰が商売繁盛と結びついたのは、江戸時代のこと。
米は通貨の代わりとして流通し、商売の基盤でした。米を司る稲荷の神様は、自然と「商売繁盛の神様」としても信仰されるようになったのです。
また、狐が稲荷の神様の使いとされるのは、狐が稲を荒らすネズミを駆除してくれる存在だったから。農家にとって、狐は米を守る益獣であり、神聖な存在だったのです。
祐徳稲荷神社のご利益――あなたの人生を安定させる
祐徳稲荷神社の御祭神が授けてくださるご利益は、単なる「願い事が叶う」というものではありません。
それは、人生の土台を固め、日々の暮らしを豊かにし、未来への道を開く力なのです。
衣食住の守護――生活の基盤を守る神様の力
倉稲魂大神の根本的なご利益は、衣食住の守護です。これは、人間が生きていく上で最も基本的な三要素を守ってくださるということ。
「衣」は着るもの、身を包むもの。仕事着、晴れ着、日常着――それらすべてが手に入る経済力を授けてくださいます。
「食」は食べるもの、命を繋ぐもの。毎日の食卓に並ぶご飯、おかず、そして家族と囲む温かい食事の時間。それらが途切れることなく続くよう、守ってくださいます。
「住」は住まい、安心できる場所。家族が安全に暮らせる家、雨風をしのげる屋根、心安らぐ我が家――それらを守り、安定させてくださるのです。
商売繁盛――店舗経営者・自営業者の強い味方
祐徳稲荷神社は、古くから商売繁盛の神様として、九州中の商人たちから篤く信仰されてきました。
店を構える経営者、自分の技術で生計を立てる職人、フリーランスとして活動する人々――自分の力で商売をする人々にとって、倉稲魂大神は最も頼りになる存在です。
商売繁盛とは、単に「売上が上がる」ことだけを指すのではありません。
お客様に恵まれること、良い取引先と出会えること、従業員が定着すること、店の評判が良くなること、リピーターが増えること――これらすべてが含まれます。
そして、倉稲魂大神は、そのすべてを後押ししてくださるのです。
祐徳稲荷神社には、開業前に参拝して成功した飲食店経営者、売上が倍増した小売店主、大型契約を獲得できた営業マンなど、数え切れないほどの「商売繁盛の奇跡」が報告されています。
家運繁栄――家族全体の運気を高める
「家運繁栄」とは、家族全員が健康で、幸せで、経済的にも精神的にも豊かに暮らせることを意味します。
一家の大黒柱が仕事で成功すること、子どもたちが健やかに成長すること、家族全員が病気や災難から守られること、家系が途絶えることなく続いていくこと――これらすべてを、倉稲魂大神は見守り、支えてくださいます。
特に、跡継ぎを持つ家業、代々続く商売、農家や漁師など家族で営む仕事をしている方々にとって、家運繁栄は切実な願いです。
祐徳稲荷神社には、「先代から続く家業を守りたい」「子どもに事業を継がせたい」「家族全員が幸せに暮らせるように」と願う人々が、全国から訪れます。
また、これから結婚する方、新しく家族を作る方にとっても、「この家が繁栄しますように」という祈りは、人生の大きな節目における重要な願いです。
技芸上達――仕事の技能を磨き、才能を開花させる
大宮売大神の力により、技芸上達のご利益があります。これは、仕事で必要な技術や技能が向上すること、芸術的な才能が開花すること、習い事が上達することを意味します。
現代社会において、技能は大きな武器です。プログラマーのコーディング技術、デザイナーの表現力、料理人の包丁さばき、美容師のカット技術、営業マンのプレゼン能力――これらすべてが「技芸」であり、磨けば磨くほど、仕事の質が上がり、評価が高まり、収入も増えます。
また、趣味や習い事においても、上達することは大きな喜びです。
ピアノ、茶道、華道、書道、ダンス――何かを学び、上達していく過程は、人生を豊かにしてくれます。
道開き――人生の岐路で正しい選択をする力
猿田彦大神の力により、道開きのご利益があります。道開きとは、人生の岐路に立った時、迷った時、どの道を選ぶべきか分からない時に、正しい道を示してくださるということ。
人生には、重要な選択の瞬間が何度も訪れます。
進学先を選ぶ時、就職先を選ぶ時、転職するかどうか悩む時、結婚相手を決める時、起業するかどうか迷う時、移住を考える時――これらの選択は、その後の人生を大きく左右します。
間違った道を選べば、後悔が残るかもしれません。しかし、正しい道を選べば、人生は大きく開けます。
猿田彦大神は、そんな重要な選択の瞬間に、あなたに「こちらだ」と示してくださる神様なのです。
参拝ルート――極彩色の社殿から天空の奥の院へ
祐徳稲荷神社の参拝は、門前街から始まり、極彩色の本殿を経て、天空の奥の院へと続く、壮大な旅です。
門前街――参拝前の準備と食べ歩き
祐徳稲荷神社の参道には、古くからの門前街が広がっています。
土産物店、食事処、稲荷寿司の店――。参拝前に腹ごしらえをしたり、参拝後にお土産を買ったり、門前街は参拝体験の一部です。
名物:稲荷寿司
稲荷神社の門前といえば、やはり稲荷寿司。甘辛く煮た油揚げに、酢飯が詰められた、素朴ながらも滋味深い味わい。参拝前に食べて、力をつけましょう。
名物:鯉料理
祐徳稲荷神社周辺は、鯉料理でも有名。鯉こく(鯉の味噌汁)、鯉の洗い(刺身)など、川魚料理を楽しめます。
楼門――圧倒的な存在感
門前街を抜けると、目の前に現れるのが楼門(ろうもん)。
高さ約18メートルの壮大な門は、真紅の柱と金色の装飾で彩られ、その存在感に圧倒されます。楼門をくぐる瞬間、あなたは俗世から神域へと足を踏み入れるのです。
楼門の両脇には、稲荷の神様の使いである狐の像が鎮座しています。右の狐は宝珠(願いを叶える玉)を、左の狐は鍵(米蔵の鍵)を咥えています。この二体の狐に守られ、あなたは本殿へと向かいます。
本殿への階段――最初の試練
楼門をくぐると、目の前に現れるのは、本殿へと続く階段。
石段を一歩一歩登りながら、視界が開けていきます。振り返れば、門前街と、その向こうに広がる鹿島の街並み。そして正面には、山の中腹に浮かぶ極彩色の本殿。
階段はやや急ですが、手すりもあり、ゆっくり登れば問題ありません。体力に自信のない方は、休み休み登りましょう。
登りきった先に待っているのは――。
本殿――空中に浮かぶ極彩色の楼閣
階段を登りきると、目の前に広がるのは、祐徳稲荷神社の象徴、極彩色の本殿。
山の斜面に張り出すように建てられた本殿は、まるで空中に浮かんでいるかのよう。真紅の柱、金色の装飾、細部にまで施された彫刻――その美しさは、まさに芸術作品。
本殿の前に立ち、下を見下ろせば、足がすくむような高さ。しかし、その高さこそが、祐徳稲荷神社の特別さを物語っています。
参拝作法
- 本殿前で一礼
- 賽銭箱にお賽銭を入れる
- 鈴を鳴らす
- 二礼二拍手一礼
- 心の中で願い事を唱える
祈りの例
「倉稲魂大神様、私の生活を守り、商売を繁盛させてください。そして、家族全員が健康で幸せに暮らせますように。」
本殿での参拝を終えたら、ぜひ本殿の舞台(張り出し部分)に立ってみてください。眼下に広がる鹿島の街並み、遠くに見える有明海――その景色は、まさに絶景です。
奥の院への道――300段の階段という試練
本殿での参拝を終え、「ここで終わり」と思った方――実は、祐徳稲荷神社の真の聖域は、ここからさらに上、奥の院にあるのです。
奥の院へと続く参道の入口には、こう書かれています。
「奥の院まで300段」
本殿までの階段で既に疲れている方にとって、この300段という数字は、まさに試練。しかし、この試練を乗り越えた者だけが、祐徳稲荷神社の真の力を得られるのです。
階段の様子
奥の院への階段は、本殿までの階段とは全く違います。
山道のような、自然石を組んだ石段。木々に囲まれた静寂の中、一歩一歩登っていきます。途中、息が切れ、足が重くなり、「もう無理かも」と思う瞬間が何度か訪れます。
しかし、諦めないでください。
階段の途中、木々の隙間から差し込む木漏れ日。鳥のさえずり。風に揺れる葉の音。自然の中で、一歩一歩登ることは、心の修行でもあるのです。
そして、登りきった先に待っているのは――。
奥の院――天空の聖域と絶景
300段の階段を登りきった先に、奥の院があります。
奥の院は、こじんまりとした社殿ですが、その静謐な空気は、本殿とは全く異なります。観光客の喧騒から離れ、深い森の中にあるこの場所は、まさに神様との距離が最も近い聖域。
奥の院で参拝を終え、振り返ると――。
そこには、信じられないような絶景が広がっています。
鹿島の街並み、その向こうに広がる有明海、さらに遠くには雲仙の山々。天気の良い日には、遥か彼方まで見渡せます。
300段の階段という試練を乗り越えた者だけが見られる、この景色。それは、神様からのご褒美なのです。
奥の院での祈り
奥の院では、こう祈りましょう。
「倉稲魂大神様、300段の階段を登りきり、ここまで辿り着けたことに感謝します。この試練を乗り越えた私に、強運と繁栄を授けてください。」
「階段がきつくて行けない」という心配――救世主あり
祐徳稲荷神社について調べていると、多くの方が不安に感じるのが、階段の厳しさです。
口コミサイトやSNSを見ると、「階段がきつい」「足が痛くなった」「高齢の親を連れて行けるか心配」という声が数多く見られます。特に、本殿までの急な石段、そして奥の院までの300段という数字を見て、「自分には無理かもしれない」と諦めてしまう方も少なくありません。
確かに、祐徳稲荷神社の階段は、決して楽なものではありません。本殿は山の中腹に建っており、そこまで辿り着くには、それなりの体力が必要です。足腰に不安がある方、高齢者の方、小さな子どもを連れた方、車椅子を使用されている方にとって、階段は大きな障壁となります。
しかし、ここで諦める必要はありません。
実は、祐徳稲荷神社には、エレベーターがあるのです。
エレベーターで本殿へ――誰もが参拝できる配慮
祐徳稲荷神社には、参拝者の利便性を考えて、本殿まで上がれるエレベーターが設置されています。
このエレベーターは、楼門の脇から乗ることができます。ボタンを押せば、わずか数十秒で、本殿のある高さまで一気に上昇。階段を一段も登ることなく、極彩色の社殿の前に立つことができるのです。
エレベーターの存在は、意外と知られていません。多くの参拝者は、楼門をくぐった後、目の前の階段に目が行き、「ここを登るしかない」と思い込んでしまいます。しかし、楼門の右手を見れば、エレベーターの入口が見つかります。案内表示もありますので、迷うことはありません。
高齢の方、足腰に不安がある方、車椅子を使用されている方、ベビーカーを押している方――誰もが、安心して本殿まで参拝できる。それが、祐徳稲荷神社の素晴らしい点です。
エレベーター利用の実際
エレベーターは、一度に数人が乗れる大きさ。混雑時には少し待つこともありますが、通常時はスムーズに利用できます。料金は300円払えば1日何度でも利用可能。利用時間は、参拝時間内であればいつでも可能です。
エレベーターで上がった後は、本殿の裏側に到着します。そこから少し歩けば、本殿の正面へ。極彩色の社殿を目の前にし、眼下に広がる鹿島の街並みを眺め、神様に手を合わせる――その体験は、階段を登って来た人と何も変わりません。
「エレベーターを使うのは、何だか申し訳ない」と思われる方もいるかもしれません。しかし、そんな遠慮は無用です。神様は、すべての人に参拝してほしいと願っています。階段を登れる人は階段で、エレベーターが必要な人はエレベーターで――どちらの方法でも、神様の前に立つことに変わりはないのです。
奥の院への挑戦――こちらは覚悟が必要
ただし、注意が必要なのは、エレベーターは本殿までしか行かないということ。
奥の院までは、本殿からさらに300段の階段を登る必要があります。こちらにはエレベーターやエスカレーターはなく、自分の足で登るしかありません。
奥の院への階段は、本殿までの階段とは全く異なります。山道のような、自然石を組んだ石段が、延々と続きます。途中、息が切れ、足が重くなり、「もう無理かも」と思う瞬間が何度も訪れるでしょう。
しかし、それこそが「試練」なのです。
奥の院は、誰もが気軽に行ける場所ではありません。体力と気力、そして「絶対に登りきる」という強い意志が必要です。だからこそ、登りきった者だけが見られる絶景があり、神様からの特別なご加護があるのです。
体力に自信がある方、若い方、「挑戦したい」という気持ちがある方は、ぜひ奥の院を目指してください。ただし、無理は禁物。途中で引き返すことも、決して恥ずかしいことではありません。
階段の厳しさと向き合う――それでも行く価値がある理由
エレベーターがあるとはいえ、奥の院まで行くには、やはり階段を登る覚悟が必要です。
では、なぜ多くの人が、その厳しさを覚悟の上で、祐徳稲荷神社を訪れるのでしょうか。
それは、階段の厳しさを上回る価値が、そこにあるからです。
極彩色の社殿の圧倒的な美しさ。眼下に広がる鹿島の街並みと有明海の絶景。奥の院から見る、雲仙の山々。そして何より、倉稲魂大神が授けてくださる、商売繁盛・家運繁栄・強運のご利益。
これらすべてが、階段の厳しさを忘れさせてくれます。いや、むしろ、階段を登ったからこそ、その価値がより深く心に刻まれるのです。
「楽して得られるものに、価値はない」――祐徳稲荷神社は、そのことを教えてくれます。
参拝のスタイルは人それぞれ――自分に合った方法で
祐徳稲荷神社の参拝は、一つの正解があるわけではありません。
エレベーターで本殿まで上がり、そこで参拝を終える人。階段を一段一段登り、達成感を味わう人。本殿までは階段で行き、奥の院は次の機会にと決める人。奥の院まで登りきり、絶景と達成感を得る人。
どのスタイルも、正しい参拝です。
大切なのは、自分の体力と相談し、無理のない範囲で参拝すること。そして、神様への感謝と敬意を忘れないこと。
「階段がきつくて行けない」という心配は、エレベーターの存在を知れば解消されます。高齢の方も、足腰に不安がある方も、安心して祐徳稲荷神社を訪れてください。
そして、もし体力に自信があるなら、奥の院への挑戦も視野に入れてみてください。その試練を乗り越えた先に、人生を変える景色と、神様からの特別なご加護が待っています。
祐徳稲荷神社は、すべての人に開かれた聖域です。階段の厳しさに怯える必要はありません。あなたに合った方法で、この極彩色の楼閣を訪れてください。
旅を彩る最新情報――御朱印、イベント、聖地巡礼
御朱印――祐徳稲荷神社の記念
祐徳稲荷神社の御朱印は、力強い墨書きと、稲荷神社の朱印が押されたもの。「祐徳稲荷神社」の文字と、参拝日が記されます。
御朱印帳も販売しており、祐徳稲荷神社オリジナルのデザインが人気です。
季節のイベント――一年を通じた楽しみ
元旦(1月1日〜3日)
九州屈指の初詣スポット。三が日で約70万人が訪れます。混雑は必至ですが、新年の活気を感じられます。
初午祭 <2月初午の日>
稲荷大神様が御鎮座されたご縁日。深夜零時よりご祈祷開始。商売繁昌祈願多く一日中賑わいます。境内にて平戸神楽、面浮立、一声浮立、他民謡などの奉納。
節分祭 <2月3日>2021・2025・2029年は2/2
節分祭は本殿にて執行されます。古来より立春の前日を節分と称します。
冬と春の分かれ目であり、旧年中の厄祓いをします。また本殿の祭典後に境内で豆まき神事も行われます。
午前10時より1時間毎に計5回行っており、節分福引大会も同時に行われてます。
例大祭 <3月初午の日>
祐徳稲荷神社では新暦3月初午の日を例大祭日と定められ、稲荷大神の御神徳を称え御神恩に感謝する祭典が執り行われます。
春季大祭(春祭) <4月8日>
五穀豊穣と諸業繁栄を祈願するお祭で桜やツツジの花も見頃を迎え、華やかさが一層増し加わります。
石壁社春祭 <5月10日>
稲荷大神様を勧請された祐徳院様が邦家安泰の祈願をこめて御入定なされた日にあたります。
お田植祭 <6月中旬>
本殿にて祭典お田植の舞が奉納され、御斎田にて巫女によるお田植神事も行われます。
岩崎社祭 <7月>
岩崎社の祭典です。
夏祭 <8月1日>
夏越大祓を兼ね五穀豊穣と諸業繁栄を祈るお祭で境内に灯篭が飾られます。外苑にて午後七時過ぎより納涼踊りが催されます。
石壁社秋祭 <9月10日>
祐徳院様の秋祭です。
再建記念祭 <第1日曜日>
当社再建工事完成祈念のお祭です。
1949年5月の火災で本殿や社務所などを焼失しましたが、20年近くかけて再建し、70年から大祭を行っています。戦後の困窮した時代にも関わらず、皆様の復興を願う強い気持ちにより再建されました。
抜穂祭 <9月下旬~10月上旬>
ご本殿にて祭典豊年の舞を奉納し御斎田にて巫女による抜穂神事(稲刈)が執り行われます。
七五三祭 <11月15日>
七五三祈願は10月中旬~11月下旬までで千歳飴が配られます。
秋季大祭(お火たき) <12月8日>
祐徳稲荷神社の冬の風物詩ともいえる、荘厳な火の神事。古くから稲荷神社に伝わる秋の祭りで、春の祈年祭に対応する重要な祭事です。この日は新嘗祭の夜、境内で神聖な炎が燃え上がり、一年の締めくくりにふさわしい厳かな雰囲気に包まれます。
お火たきの起源は、春に山から田へとお降りいただいた神様に、秋の収穫を感謝し、再び山へとお帰りいただくための神事。同時に、冬至に近いこの時期、最も弱まる太陽の力の復活を願い、春の到来を祈る意味も込められています。日没から夜にかけて行われる祭儀は、幻想的で力強く、見る者の心を揺さぶります。
宮司の祝詞が終わると、御神前の浄火が松明に移され、その炎が境内に設けられた「お山」――大小の木々を積み重ね、青竹で囲んだ巨大な薪の山――に点火されます。瞬く間に炎は燃え上がり、夜空を真紅に染めます。その瞬間、境内を埋め尽くした参拝者から、思わず「ワァー」という歓声が上がるのです。
この御神火には特別な力が宿るとされています。火に当たれば病気が癒され、知らず知らずのうちに犯した罪や穢れが祓い清められ、来る年の幸福を授かる――一陽来復の祈りが、この炎に込められているのです。当日参拝できない人のために、家族が肌着や写真を火に翳す姿、消し炭を大切に持ち帰る姿が見られるのも、この神事の深い信仰を物語っています。
炎が燃え上がると同時に、御神前にお供えした新米で造られた甘酒が、参拝者全員に振る舞われます。新穀への感謝と、神様からの福を分かち合う、温かな瞬間です。冬の夜の冷たい空気の中、熱い甘酒を啜りながら、御神火の温もりに包まれる――それは、一年の締めくくりにふさわしい、心温まる体験です。
この神事は祐徳稲荷神社の創建者である萬子媛が、京都の花山院家から鹿島藩主・鍋島直朝公の元へ嫁いだ際、京都で盛んだった火祭りの伝統を偲び、神事として取り入れたものと考えられています。江戸時代から続くこの伝統は、今も変わらず盛大に行われ、多くの参拝者が御神火に身を清め、健康と幸福を願っています。
ナイトウォーク(期間限定)
夜間、境内がライトアップされ、幻想的な雰囲気に。極彩色の社殿が、闇夜に浮かび上がる姿は圧巻。昼間とは全く異なる、神秘的な祐徳稲荷神社を体験できます。開催期間は公式サイトで確認してください。
カップルのデートスポットとしても人気で、ライトアップされた社殿を背景に記念撮影をする人々の姿が見られます。
聖地巡礼――ゾンビランドサガの舞台
祐徳稲荷神社は、アニメ「ゾンビランドサガ」に登場し、聖地巡礼スポットとしても人気です。
アニメファンは、作中に登場した場所を探しながら参拝を楽しんでいます。
また、境内には「ゾンビランドサガ」関連のグッズを販売する店もあり、ファンにとってはたまらない聖地です。
旅のしおり――所要時間、アクセス、ランチ
所要時間の目安
ライト層(本殿まで)
- 参拝のみ:30分
- 参拝+門前街散策:1時間
ガッツリ層(奥の院まで)
- 参拝+奥の院往復:1時間30分〜2時間
- 上記+門前街散策+ランチ:3時間
奥の院への300段の階段は、体力や年齢によって所要時間が大きく変わります。余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
アクセス
【車でのアクセス(おすすめ)】
- 長崎自動車道「武雄北方IC」から約30分
- 長崎自動車道「嬉野IC」から約25分
- 佐賀市内から約50分
- 福岡市内から約1時間30分
【電車+バスでのアクセス】
- JR長崎本線「肥前鹿島駅」下車
- 駅前から祐徳バス「祐徳稲荷神社行き」で約10分、終点下車
【電車+タクシー】
- 肥前鹿島駅からタクシーで約10分、料金約1,500円
駐車場
祐徳稲荷神社駐車場
- 収容台数:約3,000台
- 料金:無料
- 利用時間:24時間
駐車場は広大で、通常時は問題なく停められます。ただし、正月三が日や大型連休は満車になることも。早めの到着をおすすめします。
ランチ――参拝後のお楽しみ
門前街の食事処
門前街には、複数の食事処があります。
おすすめメニュー
- 稲荷寿司定食:稲荷神社の定番
- 鯉料理:鯉こく、鯉の洗い
- 佐賀牛:佐賀の名物、贅沢なランチに
- うどん・そば:参拝後の軽食に
祐徳稲荷神社周辺のレストラン
車で少し移動すれば、鹿島市内に多数のレストランがあります。
- 海鮮料理:有明海の新鮮な海の幸
- 佐賀牛ステーキ:奮発して贅沢ランチ
- カフェ:参拝後のコーヒーブレイク
あなたの日常に「強運」を持ち帰る――祐徳稲荷神社が教えてくれること
祐徳稲荷神社を訪れた人々は、口々にこう言います。
「人生が変わった」 「仕事がうまくいくようになった」 「心が軽くなった」
それは、祐徳稲荷神社の神様が、参拝者に強運と繁栄を授けてくださるから。
しかし、それだけではありません。
300段の階段を登りきったという達成感。 極彩色の社殿を見た時の感動。 奥の院から見た絶景に抱いた畏敬の念。
これらすべてが、あなたの心を強くし、前向きにし、人生を変える力となるのです。
祐徳稲荷神社は、遠い。佐賀の山中まで、わざわざ足を運ぶのは、簡単なことではありません。
しかし、その「わざわざ」が、価値を生むのです。
簡単には手に入らないものほど、価値がある。 試練を乗り越えた者ほど、強くなる。
祐徳稲荷神社は、そのことを教えてくれます。
参拝を終え、門前街で稲荷寿司を頬張り、車に乗り込む時――。
あなたの心には、確かに何かが宿っているはずです。
それは、倉稲魂大神が授けてくださった、強運の種。
その種を、日々の生活の中で大切に育ててください。誠実に働き、家族を大切にし、感謝の気持ちを忘れずに。
そうすれば、その種はやがて芽を出し、花を咲かせ、あなたの人生を豊かに実らせてくださるでしょう。
祐徳稲荷神社で得た強運を、あなたの日常へ。
そして、またいつか、感謝を伝えるために、この極彩色の楼閣を訪れてください。
倉稲魂大神が、今日もあなたの人生を見守ってくださっています。
関連サイト
公式サイト: https://www.yutokusan.jp/
鹿島市:https://www.city.saga-kashima.lg.jp/main/323.html
佐賀県公式観光サイト あそぼーさが:https://www.asobo-saga.jp/spots/detail/95066c01-278e-4c12-8649-f616935f6401
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