博多の街を歩いていると、ふと緑の杜が目に入る場所があります。
高層ビルが立ち並ぶ都会の真ん中に、まるで時が止まったかのような静寂――。
そこが、住吉神社です。
全国に約2,000社ある住吉神社の中で、「すべての始まり」とも言われるこの神社は、1,800年以上の歴史を持つ、筑前國一之宮。大阪の住吉大社、下関の住吉神社と並び、日本三大住吉の一つに数えられる格式高い聖地です。
「心の垢を洗い流したい」 「人生の波を穏やかにしたい」 「進むべき道を照らしてほしい」
そんな願いを抱いているあなたへ。
住吉神社の神様は、海の神として、人生という航海の安全を守り、心身を浄化する力を持っておられます。博多駅から徒歩圏内という便利さでありながら、一歩境内に足を踏み入れれば、都会の喧騒は嘘のように消え、神聖な気が満ちる――それが住吉神社の不思議な魅力です。
この記事では、福岡の住吉神社の御祭神とご利益、大阪との違い、境内のパワースポット、そして参拝後に訪れたい周辺グルメまで、あなたが住吉神社で心身を浄化し、運気を高めるための全てをご案内いたします。
さあ、浄化の杜へ、参りましょう。
大阪の住吉大社と何が違う?「福岡の住吉さん」の正体

福岡・住吉神社とは
住吉神社は、福岡市博多区住吉に鎮座する、筑前國一之宮です。
【基本情報】
- 所在地:福岡県福岡市博多区住吉3-1-51
- 電話:092-291-2670
- 参拝時間:境内自由(社務所は9:00〜17:00)
- 拝観料:無料
- 公式サイト:https://chikuzen-sumiyoshi.or.jp/
筑前國一之宮とは
「一之宮(いちのみや)」とは、その地域(旧国)で最も格式が高いとされる神社のこと。
筑前國(現在の福岡県西部)において、住吉神社は最高位の神社なのです。
住吉神社は何の神様を祀っているのか
住吉神社の御祭神は、住吉三神(すみよしさんじん)と呼ばれる三柱の神様です。
底筒男神(そこつつのおのかみ)
- 海の底を司る神
- 浄化・清め・厄除けの力
中筒男神(なかつつのおのかみ)
- 海の中ほどを司る神
- 航海安全・道開きの力
表筒男神(うわつつのおのかみ)
- 海の表面を司る神
- 波を鎮め、平穏をもたらす力
この三柱は、イザナギノミコトが黄泉の国から戻り、筑紫の日向(ひむか)の橘の小戸の阿波岐原(あわぎはら)で禊(みそぎ)をされた際に生まれた神様です。
つまり、住吉三神は浄化そのものを司る神様なのです。
福岡の住吉神社が「すべての住吉神社の始まり」と言われる理由
全国に約2,000社ある住吉神社。その中で最も有名なのは、大阪の「住吉大社」かもしれません。
しかし、創建の古さで言えば、福岡の住吉神社が最も古いとされているのです。
福岡・住吉神社の創建
- 約1,800年前、神功皇后が三韓征伐から帰還した際、住吉三神をこの地に祀ったのが始まり
- つまり、住吉信仰発祥の地
大阪・住吉大社の創建
- 約1,700年前、神功皇后の御代に創建
- 福岡の住吉神社を勧請(神様を分けていただくこと)したとも言われる
つまり、福岡の住吉神社は、全国の住吉神社の「源」なのです。
日本三大住吉
住吉信仰の三大聖地として、以下が挙げられます。
- 福岡・住吉神社:最古、筑前國一之宮
- 大阪・住吉大社:最大規模、摂津國一之宮
- 下関・住吉神社:長門國一之宮
それぞれに個性がありますが、歴史の古さと「始祖」としての格では、福岡の住吉神社が一歩抜きん出ています。
「住吉造」という建築様式の神聖さ
福岡の住吉神社の本殿は、住吉造(すみよしづくり)という日本最古の神社建築様式で建てられています。
住吉造の特徴
- 直線的で力強い構造
- 屋根が真っ直ぐに伸びる
- 神明造(伊勢神宮)、大社造(出雲大社)と並ぶ、古代三大建築様式の一つ
この建築様式自体が、神様のエネルギーを最も効率的に人々に届ける形として考案されたもの。本殿の前に立つだけで、清らかな気が流れてくるのを感じられるはずです。
主なご利益
浄化・清め
心身に溜まった穢れ(けがれ)を洗い流し、本来の輝きを取り戻す
航海安全・交通安全
海の神として、人生という航海を安全に導いてくださる
開運・道開き
迷っている時、進むべき道を照らしてくださる
厄除け・災難除け
災いを遠ざけ、平穏な日々を守ってくださる
商売繁盛
博多商人の信仰も厚く、事業の成功を願う方も多い
縁結び・夫婦円満
波を穏やかにするように、人間関係も円満に
住吉神社の神様は、あなたの人生の波を穏やかにし、心の垢を洗い流してくださる――それが、この神社の最大のご利益なのです。
【案内人の眼】ここだけは外せない開運スポットとスピリチュアルな意味

住吉神社を訪れたら、必ず巡っていただきたいパワースポットをご案内します。
1. 本殿――住吉造の神聖な気

場所:境内中央
本殿は、国の重要文化財に指定されている、1623年再建の歴史的建造物です。
参拝の作法
- 本殿の前で姿勢を正す
- 二礼二拍手一礼
- 二回深くお辞儀
- 二回拍手
- 心を込めて祈る
- 一回深くお辞儀
祈り方のコツ
「〇〇をください」ではなく、「心身を清めていただき、正しい道を歩めますようお導きください」と、浄化と導きを願うのが、住吉神社らしい祈り方なのです。
2. 力士像(古代力士像)――指に触れてパワーをいただく

場所:境内
住吉神社には、古代の力士像が奉納されております。
なぜ神社に力士像があるのか?
相撲は、単なるスポーツではございません。これは**神事(神様に捧げる儀式)**なのです。古来より、相撲は五穀豊穣や災難除けを祈る神事として行われてきました。
力士像は、力強さ・勝負運・困難に立ち向かう勇気の象徴です。
パワーのいただき方
- 力士像の指に触れる
- 「この力士のように、私も芯の強さを持ちます」と心の中で唱える
多くの参拝者が触れるため、指の部分は滑らかに磨かれています。その感触から、長い年月をかけて蓄積されたエネルギーを感じられるはずです。
3. 三日恵比須神社――幸運を釣り上げる商売繁盛の神

場所:境内末社
住吉神社の境内には、恵比須様を祀る三日恵比須神社があります。
恵比須様とは
七福神の一柱で、鯛を抱え、釣り竿を持つ福々しいお顔の神様。商売繁盛・漁業豊漁・開運の神として、博多商人に篤く信仰されてきました。
幸運を釣り上げる作法
- 恵比須様の前で、二礼二拍手一礼
- 「良いご縁を釣り上げられますように」と祈る
博多では毎年1月に「十日恵比須神社」の大祭が行われますが、住吉神社の恵比須様も、一年を通じて商売繁盛を願う方々に力を与えてくれます。
4. 星守り――人生の指針を照らす
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場所:社務所(授与所)
住吉神社で今、最も注目されているのが「星守り」です。
星守りとは
夜空の星をモチーフにした、美しいお守り。SNSでも「可愛い」「綺麗」と話題になっています。
スピリチュアルな意味
星は、古来より道しるべとして人々を導いてきました。航海する船乗りは、星を見て進む方向を定めたのです。
星守りは、あなたの人生という航海において、進むべき道を照らす光なのです。
迷った時、悩んだ時、星守りを手に取り、「私の進むべき道はどこですか」と心の中で問いかけてみてください。きっと、答えが見えてくるはずです。
授与
- 初穂料:1,000円前後
- 受付時間:9:00〜17:00
5. 一夜の松――神功皇后の伝説が残る

場所:境内
神功皇后が住吉三神を祀った際、一夜にして成長したとされる松の伝説が残ります。現在の松は何代目かのものですが、その伝説は今も語り継がれています。
一夜の松が教えてくれること
神様の力は、人間の想像を超えたもの。不可能に見えることも、神様のご加護があれば成し遂げられる――そんな希望を、この松は私たちに与えてくれます。
6. 恵比須神像――福徳を呼び込む笑顔の力

場所:境内・三日恵比須神社
住吉神社の境内には、福々しいお顔の恵比須神像が鎮座しています。
恵比須様が持つ深い意味
恵比須様は、右手に釣り竿、左手に鯛を抱えた、笑顔が印象的な神様でございます。この姿には、深い意味が込められています。
- 釣り竿:チャンスを逃さず掴み取る力
- 鯛:「めでたい」に通じる、幸運の象徴
- 笑顔:福は笑う門に来る、という教え
つまり、恵比須様は「機会を逃さず、幸運を引き寄せ、いつも笑顔でいる」という、開運の本質を教えてくださる神様なのです。
恵比須様からのエネルギーの受け取り方
- 恵比須神像の前に立ち、そのお顔をじっくり拝見する
- 恵比須様の笑顔を見て、自分も自然と笑顔になる
- 「恵比須様のように、いつも笑顔で、幸運を引き寄せます」と心の中で唱える
- 二礼二拍手一礼で感謝を伝える
博多商人が大切にしてきた教え
博多は古くから商人の街。商売で成功するには、人に好かれる笑顔と、チャンスを掴む行動力が必要です。
恵比須様は、その両方を体現されている神様。多くの博多商人が、この恵比須様に商売繁盛を祈願し、成功を収めてきました。
恵比須様が授けてくださるもの
- 商売繁盛・事業成功:良いご縁を釣り上げる
- 金運・財運:鯛(財)を抱える豊かさ
- 対人運:笑顔が人を引き寄せる
- 開運・幸運:福徳を招き入れる
恵比須様の前に立つと、不思議と心が明るくなり、前向きな気持ちになれます。それは、恵比須様の笑顔が持つ、ポジティブなエネルギーがあなたに伝染しているからです。
仕事で悩んでいる方、新しいチャレンジをしようとしている方、人間関係を良くしたい方――そんな方々は、ぜひ恵比須様の前で、笑顔になってみてください。
笑顔には、運を引き寄せる力があります。
読者の「知りたい」に応える参拝ガイド

アクセス:博多駅から徒歩圏内の便利さ
福岡の住吉神社は、博多の中心部に位置し、アクセスが非常に便利です。
【電車でのアクセス(最もおすすめ)】
| 路線 | 最寄り駅 | 所要時間 | 運賃(博多駅から) |
|---|---|---|---|
| JR鹿児島本線 | 博多駅 | 徒歩約10分 | – |
| 福岡市地下鉄 | 博多駅 | 徒歩約10分 | – |
博多駅からの徒歩ルート
- JR博多駅博多口(西口)を出る
- 大博通り(国道3号)を南下
- 「住吉」交差点を右折
- 約200m直進すると、左手に住吉神社の鳥居が見えます
非常にわかりやすく、初めての方でも迷うことはありません。
【バスでのアクセス】
西鉄バス「住吉」停留所下車、徒歩約2分
【車でのアクセス】
福岡都市高速「呉服町ランプ」から約5分
駐車場情報
住吉神社の駐車場
- 収容台数:約30台
- 料金:無料
- 利用時間:6:00〜19:00頃
注意点
- 駐車台数が限られているため、土日祝日は満車になることがあります
- 初詣期間(1月1日〜3日)は駐車場が使用できない場合があります
周辺駐車場
住吉神社周辺には、コインパーキングが複数あります。
- 料金:30分200円程度
- 博多駅周辺の大型駐車場も徒歩圏内
車でお越しの際は、時間に余裕を持ってご参拝ください。
参拝時間
境内参拝時間:6:00〜19:00頃(季節により変動)
社務所(御朱印・お守り):9:00〜17:00
早朝参拝も可能で、朝の清々しい空気の中での参拝は特におすすめです。
御朱印
受付場所:社務所
受付時間:9:00〜17:00
初穂料:300円
福岡・住吉神社の御朱印は、力強い墨書きが特徴です。「筑前國一之宮 住吉神社」の文字と、神紋の朱印が押されます。
オリジナル御朱印帳
住吉神社のオリジナル御朱印帳も授与所で販売されています(約1,500円〜2,000円)。住吉造の本殿や神紋がデザインされた、上品な御朱印帳です。
おみくじとお守り
おみくじ
- 初穂料:100円〜
- 吉凶を占うだけでなく、神様からのメッセージとして大切に読みましょう
人気のお守り
星守り
- 人生の道を照らす、SNSでも話題のお守り
- 初穂料:1,000円前後
航海守(こうかいまもり)
- 住吉神社らしい、人生の航海安全のお守り
- 旅行、引っ越し、新しいスタートを切る時に
厄除守
- 厄年の方、災難を避けたい方に
縁結び守
- 良縁を願う方に。波を穏やかにするように、人間関係も円満に
商売繁盛守
- 恵比須様のご利益。事業の成功を願う方に
お守りは、神様との繋がりを保つ大切なもの。財布や鞄に入れて、常に身につけましょう。
所要時間の目安
サクッと参拝コース:30分
- 手水舎→本殿→御朱印
じっくり参拝コース:1時間
- 手水舎→境内末社巡り→本殿→力士像→お守り・御朱印
完全参拝コース:1.5〜2時間
- 上記に加え、境内をゆっくり散策、写真撮影
博多駅から近いため、観光の合間に気軽に立ち寄れるのが住吉神社の魅力でございます。
直会(なおらい)のすすめ――参拝後に寄りたい心と体の癒し

神様に祈りを捧げた後は、「直会(なおらい)」――すなわち、神様と共に食事をいただく――という古来の習慣がございます。
住吉神社周辺には、参拝後に訪れたい名店が点在しております。
博多駅周辺のおすすめランチ
1. 博多とんこつラーメン
博多に来たら、やはり本場のとんこつラーメンは外せません。博多駅周辺には、老舗から新店まで、名店が集まっています。
- 一蘭 博多店:一人ずつの仕切られた空間で集中して味わう
- 一風堂 博多本店:世界的にも有名な博多ラーメンの代表格
- 元祖長浜屋:昔ながらの屋台の雰囲気
参拝で心を清めた後、濃厚なとんこつスープで身体に活力を――これぞ、博多流の直会です。
2. 博多もつ鍋
博多名物のもつ鍋は、コラーゲンたっぷりで美容にも良いとされています。
- やま中 博多店:味噌味が人気
- おおやま 博多店:醤油味の元祖
3. 水炊き
博多のもう一つの名物、水炊き。鶏肉の旨味が溶け出したスープは、心身を温めてくれます。
- 博多華味鳥:コラーゲンたっぷりのスープ
- とり田:柚子胡椒で味わう本格水炊き
住吉神社近くのカフェ
住吉通り沿いのカフェ
住吉神社から博多駅への道沿いには、おしゃれなカフェが点在しています。
- ゆっくりとコーヒーを飲みながら、参拝の余韻に浸る
- 静かな時間を過ごし、心を整える
参拝後の心の状態を保つためにも、急いで次の予定に向かうのではなく、少しゆっくりする時間を持つことをおすすめいたします。
博多のお土産
明太子
- 福さ屋、かねふく、やまやなど、博多駅周辺で購入可能
めんべい
- 福太郎の人気商品。明太子風味のせんべい
博多通りもん
- 明月堂の銘菓。白餡とバターの絶妙なハーモニー
参拝の記念に、博多ならではのお土産もお忘れなく。
遠方からお越しの方へ――神域の余韻に浸れる博多の宿

住吉神社を訪れた後、すぐに帰るのは惜しい――そうお感じになったなら、博多に宿泊して、神域の余韻に浸ってみてはいかがでしょうか。
おすすめ宿泊エリア
1. 博多駅周辺
- 住吉神社から徒歩圏内
- 新幹線・空港へのアクセス抜群
- ビジネスホテルから高級ホテルまで多数
2. 中洲・天神エリア
- 博多の繁華街
- 夜は博多グルメを堪能
- 櫛田神社も徒歩圏内
3. 住吉エリア(住吉神社近く)
- 静かな環境
- 朝一番の参拝ができる
- ゲストハウスや民宿が点在
宿泊予約サイトを活用すれば、口コミを参考にしながら、自分に合った宿を見つけられます。
福岡神社巡りのすすめ
住吉神社を訪れたなら、ぜひ福岡の他の神社仏閣も巡ってみてください。
福岡の主要神社
- 櫛田神社:博多の守護神、商売繁盛
- 筥崎宮:勝負の神様、敵国降伏
- 太宰府天満宮:学問の神様
- 宗像大社:世界遺産、交通安全
これらを巡る周遊ルートを組めば、福岡の神社巡りが充実した旅になります。
結び――波を穏やかにし、進むべき道を照らす

住吉神社での参拝を終えたあなたは、今、どのような気持ちでいらっしゃいますか?
心が軽くなった。 何かが洗い流された気がする。 進むべき道が、少し見えてきた。
それは、住吉神社の神様が、あなたの心身を浄化し、力を与えてくださった証でございます。
参拝後の心の持ち方
1. 清らかな心を保つ
神様に清めていただいた心を、日常の中でも大切に保ちましょう。
- 感謝の気持ちを忘れない
- 人に優しく接する
- 正直に、誠実に生きる
2. 波のように柔軟に
海の神様は、波のように柔軟で、しなやかでいることの大切さを教えてくれます。
- 困難が来ても、固く構えず、柔軟に対応する
- 波のように、時には引き、時には寄せる
- 自然の流れに身を任せる
3. 星を見上げて
迷った時、悩んだ時は、星を見上げてみてください。
住吉神社の星守りが、あなたの心にあるなら、きっと進むべき道が見えてくるはずです。
最後に――神様との絆を深めるために
住吉神社の神様は、あなたが参拝した日だけでなく、これからもずっと、あなたを見守ってくださいます。
心が疲れた時。 人生の波が荒れた時。 道に迷った時。
その時は、また住吉神社を訪れてください。
神様は、いつでもあなたを待っています。
波を穏やかにし、進むべき道を照らす――それが、住吉神社の神様のお力です。
あなたの人生という航海が、穏やかな波に導かれますように。 あなたの心が、いつも清らかでありますように。
住吉神社の神様と共に。